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連帯保証人として請求された場合はどうすればいい?


弁護士の櫻田です。

借金の相談を受ける中で,「連帯保証人として多額の金額を一括して支払うよう請求されているがどうしたらいいか?」というご質問をいただくことがあります。

近頃,世間でも,ニュースなどで「奨学金破産」というワードが飛び交っています。
子供や親戚などの奨学金の連帯保証人となったが,本人が返済できなくなり,連帯保証人としての責任を追及され,支払不能となり,やむなく破産をしてしまうというケースも増えているようです。
そこで,今回は,連帯保証人として請求された場合の対応についてご説明します。

主債務者が「絶対に迷惑をかけない」と言っていたから支払う必要はない?


お金を借りようとする本人(これを「主債務者」といいます)は,あなたに連帯保証人になってほしいと頼むときに,

自分できちんと返済するから,あなたには絶対に迷惑はかけない

というような言葉を言ったことでしょう。

お金を借りるにあたり,通常,主債務者としては,初めは,自分できちんと返済するつもりがあるものです。初めから,あなたに支払ってもらうつもりはないはずです。

こうした主債務者の言動を信じて,あなたは連帯保証人になったのかもしれません。

ところが,後になって,主債務者が返済できなくなり,連帯保証人であるあなたの下に請求が来ました。あなたとしては,主債務者が「絶対に迷惑をかけない」と言っていたのだから,自分は支払う必要はないと言いたくなると思います。

しかし,主債務者から迷惑をかけないと言われて連帯保証人になったとしても,あなたの連帯保証人としての責任が免れるわけではありません

連帯保証人になるということは,債権者に対して,主債務者が支払わない場合などに,主債務者に代わって支払う義務を負うということです

ですので,債権者との関係でいえば,主債務者があなたに迷惑はかけないと言っていたとしても,それは何の意味もないことなのです。

ほかにも連帯保証人がいるのでそちらに請求してもらえるか?


あなた以外にも連帯保証人がいる場合,あなたとしては,自分ではなく,ほかの連帯保証人に請求をしてもらいたいと思うかもしれません。

しかし,債権者としては,複数の連帯保証人がいても,どの連帯保証人に請求をしても構いません。また,複数の連帯保証人がいても,各連帯保証人の責任は,主債務者が借りた金額の全額に及びます

したがって,あなたが,自分では支払いたくないから,ほかの連帯保証人に請求してほしいという言い分は通りません。

ただし,可能であれば,連帯保証人の間で,連絡を取り合って,債権者と共同して交渉することはした方がいいと思います。
連帯保証人として支払う金額は,主債務者が支払う金額の範囲内なので,複数人で分割すれば,自分の負担分を減らすことができるからです。

なお,連他保証人として支払いをした場合,主債務者に対してはその全額を,ほかの連帯保証人に対しては原則として頭数で分割した金額を,請求することができます(この請求権を「求償権」といいます)。

そもそも連帯保証人になった覚えがない場合は?


主債務者がお金を借りる際,家族や友人の名前や印鑑を勝手に使って,契約書や借用書の連帯保証人欄に署名押印してしまうことは,残念ながらあり得ることです。

当然ながら,勝手に自分の名義を使われて連帯保証人に仕立て上げられた場合は,それだけで直ちに連帯保証人としての責任が発生するわけではありません。

ですので,身に覚えのない連帯保証人としての請求に対しては,支払う必要はありません。

ただ,支払義務がないからといって,請求を放置しておくと,訴訟等の法的措置を採られて,それに対しても何ら対応をしないでいると,給与差押えなどの強制執行をされてしまう可能性があります

対応としては,すぐに,請求をしてきた業者に対して,

自分は連帯保証人になった覚えがないこと
連帯保証人ではないので,支払いはできないこと
今後,自分に対して請求をしないでほしいこと

を書面で通知すべきです。

後々の証拠とするため,電話ではなく,書面で,しかも,内容証明郵便等の記録が残る形で送付をした方がいいと思います。

なお,人の名義を勝手に使用した主債務者が悪いのですが,例えば,あなたが主債務者に印鑑を預けてその使用を認めていたなどの特段の事情がある場合には,あなたにも過失(落ち度)があると判断されることがあります。
この場合には,債権者側に,契約締結にあたっての調査・確認に過失(落ち度)がなければ,最悪,あなたの連帯保証人としての責任が認められてしまうことがあります。

いずれにせよ,書面で通知をしても,請求が続くようであれば,当事務所にご相談ください。

連帯保証した金額よりも多額の請求をされた場合は?


例えば,100万円について連帯保証をした覚えはあるが,連帯保証人として200万円の請求をされたというように,連帯保証した金額よりも多額の請求をされることもあり得ます。

原因としては,例えば,次のような事情が考えられます。

①主債務者が支払わないことで高利の利息や遅延損害金が付加されてしまった。

②保証の内容が1回の貸付けに関するものではなく,一定期間内の一定限度額を保証するという内容だった(いわゆる「根保証」)。

③連帯保証をした際には貸付金額の記載がなく,後から書き加えられた。

上記のうち,①については,利息や遅延損害金も含めた上での連帯保証なので,認識している金額(元金)しか支払わないという言い分は通らないでしょう。

これに対して,②や③については,保証契約の際の説明不足や,詐欺的な行為がありますので,交渉次第では,支払う金額を減額できる可能性もあるでしょう。
ただ,保証契約書という客観的な証拠がある以上,ご自身で交渉してもなかなか上手くいかないと思いますので,すぐに当事務所にご相談ください。

連帯保証したことは間違いないが,請求された金額を支払えない場合は?


連帯保証をしたことに間違いがなく,かつ,請求された金額を支払えない場合は,弁護士に相談をして,債務整理の手続をとるべきです

収入や資産を踏まえても支払不能であれば自己破産での解決を,自己破産ができない事情がある場合には個人再生や任意整理での解決を検討すべきです。

いずれの手続を選択すべきかについては,収入・資産の状況や,連帯保証以外のほかの借金の状況などを踏まえて判断することになります。


今回は,連帯保証人として請求された場合に採るべき対応について説明しました。
連帯保証したことに覚えがなければ,まずは,連帯保証をした事実自体を争うことになります。
他方,連帯保証したことに間違いがなければ,その支払義務は免れず,支払いが困難なようであれば,早目に当事務所にご相談ください。
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